Tecnical Manga BMC MINI(1959)
かの有名な BMC MINI を描いたテクニカルマンガです。これだけデフォルメしても原型のイメージが
キチンと残るくるまは、そう多くはありません。ちいさな車体なのに強烈な個性です。
断面図を見て頂くと、面白い構造がいろいろと見えてきます。緑色に塗装されたエンジンは横置きにし
てエンジンルーム前部に押し込んであります。この時代に、よくこんなスペースに入れることが出来た物
だと感心します。小さいけれどりっぱなトランクルームもあります。ここに現代の最先端のスポーツカー
のように、バッテリーを積んでいます。いわゆる、バッテリー後方搭載です。しかも、フロアパネルにわ
ざわざ穴をあけて車体底面ぎりぎりまで下げて、徹底的に重心を低くしているのです。
後ろの椅子の背中のリアトレイにはオーディオ用のスピーカー取り付けスペースまであります。ただし
初期型にはさすがにスピーカー取り付け孔はありませんでしたが。
平面図と底面図を見て頂くと、前後のホイールで左右の間隔(ホイールベース)が違っているのが分り
ます。 フロントホイールの方がホイールベースが広くできています。ここまでは普通なのですが、MINI
ではそのホイールベースに合わせて、なんとボディの幅も変えているのです。ここまでやるんですねー。
この時代、ほかの車ではホイールとフェンダーの間の隙間を広くすると言う、安易な方法が多く見られま
した。見た目はガバガバになってカッコ悪いし、重量配分もセンターに集まらなくなります。こんな小さ
な車体なのに、MINIの車作りの真剣さがここにもうかがえます。40年という長寿命の秘訣はこの例よう
に随所に見る事が出来ます。
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